省庁別の取り扱っている申請手続きの数
e-GOV電子申請のサイトでは具体的にどのような手続きができるのでしょうか?(令和6年6月30日現在)
まずは、省庁別に取り扱っている手続きの件数をみてみましょう。
国土交通省 262件
経済産業省(資源エネルギー庁、特許庁、中小企業庁含む) 143件
総務省 104件
金融庁 45件
環境省 18件
消費者庁 17件
観光庁 6件
気象庁 6件
農林水産省 3件
国家公安委員会・警察庁 1件
はい。もうお分かりだと思いますが、ぶっちぎりで厚生労働省管轄の手続きが多いです。むしろそのためのサイトといってもいいぐらいの量です。
サイト内で確認できる省での分類として内閣府、防衛省、外務省、財務省、環境省があるので、これらの省については、将来的にこちらのシステムで対応する電子申請が増えるかもしれません。逆に法務省、文部科学省は項目がないので、別のシステムを使うのではないかと推察されます。法務省は現在、登記情報サービスと、出入国管理庁として電子申請ができるシステムを使っています。
主にどのような手続きができるのか?
それでは具体的にどのような手続きができるのかまとめていきます。
厚生労働省(中央労働員会含む) 5271件
主に労働や雇用、保険に関すること申請が行えます。社会保険労務士が業としてできるものをイメージしてもらえればよいかと思います。
国土交通省 262件
運輸に関係するもの具体的には、自動車、船舶の製造関係、鉄道、自動車、飛行機などの旅客に関する届出。水道業許可申請関係も対応しています。
経済産業省(資源エネルギー庁、特許庁、中小企業庁含む) 143件
再生可能エネルギー関係、化学物質禁止法で制限されている物質に関する届出など。
総務省 104件
有線電気通信、一般放送など放送法に関係する業種の届出など。電気通信事業法、電波法関係の届出も対応してますが、無線局に関する申請はe-GOVとは別の専用サイトでの手続きとなります。
金融庁 45件
基幹インフラ制度による申請関係のみです。基幹インフラ制度に関する申請は、他の省での管轄されている業種もe-GOVサイトで申請するようになっています。
環境省 18件
特定特殊自動車に関係する申請がメインです。特定特殊自動車とは公道を走らない車で、具体的にはブルドーザーとかフォークリフトなどです。自動車なのに環境省が管理しているのは、排気ガスの規制によるものだからです。
消費者庁 17件
特別用途食品、特定保健用食品に関係する申請を行うことができます。特定保健用食品というのは、「トクホ」と呼ばれているものです。特別用途食品というのは、乳児の発育や、妊産婦、授乳婦、えん下困難者、病者などの健康の保持・回復などに適するという特別の用途について表示を行う食品で、「経口補水液」なんかが有名です。
観光庁 6件
宿泊分野特定技能協議会に関する申請を行うことができます。宿泊分野における特定技能の外国人を受け入れるためにはこの協議会に入る必要があり、その入会や退会などに関する手続きを行うことができます。
気象庁 6件
気象観測所に関する申請、気象予報士に関する申請を行うことができます。
農林水産省 3件
基幹インフラ制度に関する申請を行うことができます。
国家公安委員会・警察庁 1件
疑わしい取引の届出を行うことができます。犯罪による収益の移転防止に関する法律8条によるもので、具体的にはその取引がマネーロンダリングではないかと疑われるような場合に届け出る制度です。
終わりに
厚生労働省関係の申請に関しては、どの会社でもなじみのある申請であると思いますが、それ以外の省庁での電子申請は結構マニアックなものばかりだという感じがしました。
今後、行政のDX化が進んでいき、行政手続きがもっと身近にかつわかりやすくなればと思います。